【HBF】最終戦―天上の戦い― 〜大空の死闘〜
83669: レイラール 2003/03/10 21:38:12 
HBFが始まった時から変わりの無い白衣と九節鞭。
右腕のHBF執行部腕章に、小型無線機。
独断と偏見を思うままに駆使し、自由気ままに行ってきたHBF。

HBF執行部長レイラールは最終舞台に8人の選手を呼んだ。
そう、今回は公募ではない。
独断と偏見で選んだ最高の選手達・・・。

選手4人を同じくHBF執行部ポルックス氏に任せ、レイラールは
残った4人の顔ぶれを眺めた・・・

「ようこそ、HBF(ヘルハン・バトル・フィールド)最終戦へ・・・」
83671: 開戦RP2:執行部レイラール レイラール 2003/03/10 21:39:58 
選手を一通り見渡して、レイラールは軽く天を指した。
「今回の会場は・・・天空です」

4人の体は上空500m地点まで一気に上っていく――!!!

地上が小さく見える・・・
ヘルハンプールという我らが慈しむ国
なんて小さく、なんて愛しいのだろうか・・・
ここで何度出会い、衝突し、泣き、笑い、そして別れていくのだろう?

今回の最終戦は重力と地面の制約を離れた無限空間とも言える場所での戦い。
選手はそれぞれに空中での動きに慣れた様だ・・・
83670: 開戦RP1:執行部レイラール レイラール 2003/03/10 21:38:59 
「今回の舞台はここですか?」
セーラー選手からの問いかけにレイラールは首を振った。
「最終戦ですよ。こんな場所では皆様に申し訳ない。」

「じらすな、早く言え。」
ヴォルフ選手の脅しに、レイラールは肩を竦めた。
「お渡しした<薬>飲んできましたか?」

「怪しい玉虫色の薬ね、気持ち悪かったけど飲んだわよ」
Dolly選手の答えに満足そうにレイラールは笑った。
「そう言わないで下さい。あの<薬>は高価なんですから。」

「まだでした・・・」
がさごそと<薬>を飲み始めるゼフィル選手に水筒を渡す
「お水をどうぞ☆」
83672: 開戦RP3:執行部レイラール レイラール 2003/03/10 21:40:33 
「セーラ−選手&ヴォルフ選手
          VS
       ゼフィル選手&Dolly選手」

レイラールはそう告げると、選手の間に体を入れて選手の逸る気持ちを制止する。

「華麗なる惨劇を・・・HBF最終戦

         ―――開幕―――!!        」
83701: 御前に参:ドリ Dolly 2003/03/11 00:17:56 

唇が乾いて仕方がない。

無意識に唇を這い回る舌が
コッテリ塗ってきた新色を全部舐めとってしまいそうだ。

「・・・・・・・・。」

無言のまま、やにわにヒールで蹴りつけた足下の空間は
固い感触で身体を跳ね返した。

まっすぐに。

敬愛する国王陛下と外務大臣を見据えたまま、跳び下がる。
後方に蹲ると無防備に頭を下げて平伏した。

「お手合わせ光栄に存じます
 全ての力と策を以て挑みますゆえ
 その御手にてお確かめくださいませ」

伏せ隠した顔から赤い舌だけがせわしく蠢いて見える。
83716: チーム、ザ・ファンクス入場☆ ゼフィル・ゼルファ 2003/03/11 01:51:50 
雲は食べられると思っていた
空を見上げ、あの白いふわふわは
甘い綿菓子の様なものだと信じきっていた
雲の上に寝転んで雲を食べる
そんな夢想を抱いたのは幾つの頃までだったか

今では雲がどういうものか知っている
極小の氷の結晶、水の粒。実態はそんなものだ
寝転がれもしないし、美味くも無い

果てしない蒼穹に広くたなびく白い雲海
自分は今その中にいる
地上と違い、空にはそれしか遮蔽物が無い
この水蒸気の塊の中に飛び込まねば身を隠せない

真正面からあの二人とは戦えない
不意を着かねば勝利はおぼつかない
決定的な瞬間が訪れるまでじっと
息を潜めていなければならない

寒い。身体の芯から凍りつきそうだ
83724: 不意打ち常套(*゜Д゜)ゞ ヴォルフ=ゾルダート 2003/03/11 03:45:13 
普段空を飛ぶ感覚とは違う、全く重力を感じない感覚がなんとも不思議で心地良い。

「・・・・・さ、参りますか。」

フワフワ漂うように
ボーっと遠くを眺め
挨拶変わりとでも言うように

長身銃の銃口を眼前のDollyに向け、続けて雲の中に向け、それぞれ一発づつ発砲。

「ふー・・・・。隠れて無いで出て来いよゼフィ。」

硝煙と紫煙が周囲で絡まりあう。
83725: 参ります セーラー 2003/03/11 04:09:29 
「なるほど、相変わらず手の込んだ趣向で…」

上昇中に笑みを浮かべながら杖をぐっと握りしめる。

今回のHBFへの招待状を受け取って驚いた事が二つ。
まずは、前回の対戦相手だった愛すべき弟とタッグを組む事。
そして、職務で苦楽を共にしたあの二人が相手…

どちらもレイラールさんらしく期待を裏切らない趣向に思わず微笑んでしまう。


「さて、弟よ、あの二人が相手とあっては一分の隙も見せれませんよ。」

と、自分への気合の意味も兼ねて横を見ながら語りかけると同時に銃声。

「相変わらず血の気の多いことで…
 まぁ、順序なんて無用ですがね」

そう言って、雷撃の呪文を軽く唱える。
83801: こっちは丁寧に挨拶してるのに:ドリ Dolly 2003/03/11 19:59:13 
・・・いい匂い・・・
アタシの大好きな火薬の匂い・・・

惹かれたように、匂いの源へ一直線に駈ける。
脇腹を掠めた弾はあたりの水蒸気を吹き飛ばした。

照準を定めてもいないのは知っている。
そして本当に抜け目無く、容赦ないのが誰かも。

「シェル」

駈けながら手の中の小さな貝を握り潰した。
内包された珠から淡い光が発し身体を包む。

駈ける光の塊から。

無数の触手が吹き出した。
それは2束の槌になりヴォルフの両肩に振り下ろされる。
83803: 大体非力な女相手にさぁー:ドリ Dolly 2003/03/11 20:01:05 
「せいっ」

曲馬団のトランポリン演者よろしく
小さい体は触手の束が肩を弾いた反動で
大きく、大きく跳躍した。
転瞬、体を廻して二挺の銃をありったけ乱射する。

ふ り む け 。

振り向いて追え。
その赤い眼で。

片思いの少女のように念じつつ背中から雲間に突っ込む。
思考を集中しなければ。
今見たものを脳裏に刷り込む。
このだだっぴろい空間でただ一点の赤い染み。


珠の魔法防護が完成すると同時にあたりに衝撃が拡がった。
間一髪の危機に肌がざわつく。

陛下の魔法は予測以上に有効域が広い・・・
もちろん直撃すればチャチな防護壁など役にたたない。

・・・否。
思考を集中しなければ。
83830: 選手紹介1:執行部レイラール レイラール 2003/03/11 21:23:45 
ヴォルフ選手が放った銃弾は、Dolly選手に避けられ、レイラールへ向かってきたっ!
レイラールはとっさに顔を庇い、義手にその銃弾が埋め込まれた。
「執行部も命がけっていうことか・・・」
小型無線のヘッドセットマイクを下ろし、レイラールは大きく息を吸い込んだ

「さぁ!最初の一撃を放ったのは・・・

<チーム:マシーナリーマギ> ヴォルフ=ゾルダート選手っ!

いきなり、不意打ち、喧嘩上等の好戦的性格はここでも健在。四肢が義手義足に何を隠して
いるのか、右目の赤義眼が怪しく光る。
今回は兄であるセーラー選手とのタッグ。本来なら相容れない<機械>と<雷電>これがどう
組み合わされるか!?」
83833: 選手紹介2:執行部レイラール レイラール 2003/03/11 21:25:33 
レイラールは体を捻り空中を移動すると、Dolly選手の下に位置取った・・・?
(ちっ・・・Dolly選手はミニスカートじゃないのか・・・(殴!(逝け(撲殺

「対しますのは、HBF始まって以来の最初で最後の女性選手・・・

<チーム:ザ・ファンクス> Dolly選手っ!

その力、技、能力は未知数。タッグを組むゼフィル選手との連携がどうなるのかも全く想像つ
かず。
その妖艶な瞳と手にした二挺拳銃が只ならぬ光を宿し、見えぬ威圧感に全身が総毛立つ!
何か・・・何かが来ると第六感が叫んでいる・・・その姿から目を離す事はできない・・・!」
83904: 女だからって手加減しません(゜Д゜)y―┛~~ ヴォルフ=ゾルダート 2003/03/12 01:53:43 
双肩に衝撃が走り体勢を崩す。

「グ・・・・!?」

体勢を立て直す間も無く弾丸が降り注ぎ、数発が身体をかすめる。
弾丸の降って来た方向へ反射的に数発発砲。
一瞬姿を捉えるも雲に阻まれ見失う。

「雲・・・か、邪魔だな。」

呟くと同時に右目の義眼が赤く光り・・・

「瞬殺光波ッ」

光線が雲を突き破り、一瞬にして水蒸気と氷の粒は蒸発し消滅。
そこにはただ青い空が広がっていた。
83915: 女性と女傑は違うのです(´∀` ) セーラー 2003/03/12 02:31:11 
「挨拶程度にしかならない…ですか」

ある程度予測はしていたが、私達の攻撃をいとも簡単に防ぐとは…

Dolly女史と愛弟の間で既に攻防が展開されようとする中、私の目線は常にゼフィルさんを捕ら
える。
こちらに少しでも隙があろうモノならば…と思うと愛弟のサポートすら出来そうにも無い。

「ん…せっかくのタッグですし賭けに出てみますかね」

考えてるだけではいけない、様子見無しで出来る限りをやってみよう。

杖を利き手だけで持ち、指を軽く鳴らし…


「ヨミ! お前の獲物はDolly女史だ! しっかり愛弟のサポートを頼む!」


どこからともなく現れた使い魔のヨミ、愛弟よ…キミへの助力はこれが精一杯だ。
83917: 老人と老傑も違うのです( ´∀`) セーラー 2003/03/12 02:33:55 
さて、次はゼフィルさん…なんとも厄介な相手な訳ですが…

「まぁ、お隣は賑やかなようですが…
 お互い元気なパートナーを持ったモノですね」

まるで、いつもの政治話をしてるような口調で話しかける。

ただ…

こんな緊張感は戦時中にも無かった事は確か…


「とりあえず、改めて挨拶です。良ければどうぞ」

再度、雷撃の呪文を唱える。
今度は一点集中、狙うはゼフィルさん。

これが当たる方ならば、ここまで焦ったりもしないのですがねぇ
83969: にんぴにーんヽ(´ー`)ノ:ドリ Dolly 2003/03/12 16:47:52 
チョーカーに絡みつく義手を
革製のそれもろとも一気に引きちぎる。
チョーカートップにあしらわれた石はかろうじて回収。
女たるもの、こういうことを忘れてはならないw
真っ赤な宝石にキスしながら、見た。

狂いなく自分に向けられる銃口。
「・・は」
その向こうの赤い眼。
「は、は、あは、あははあはあはあはははははははははは!」

笑いがとまらない。


「ヴォ様、捕ーった♪」


幾筋もの光がヴォルフの背中に突き刺さる

その光景を確認する寸前
視界は自らの血飛沫で遮られた。
眉間を狙った正確な狙撃に
とっさに楯にした触手の束が肉片になって砕け散った。
84017: 一体何キロで飛んでんのよこの男。(;´Д`)☆ ゼフィル・ゼルファ 2003/03/12 20:39:06 
雲を抜け風を巻き、蒼穹をひた奔る。
下方の喧騒も何処吹く風。

光線を跳ね除け、雷撃を掻い潜り
戦場を明後日の方向へ驀進する。

煌く星霜の極みまで駆け昇るのかと思われた刹那
突如停止する。

―――下で何か遭ったらしい。

相棒とは額冠で精神的にリンクされている。
言葉や映像のやり取りが出切るわけではないが
感覚をある程度、共有出切る。

サークレットを通じて身体に鋭痛が走った。
相棒は相当なダメージを負ったらしい。

―――五キロは稼げたか

贅沢を言えばもう五キロは欲しかった。
アウトレンジからの攻撃。
距離とは何にも優る極めて有効な盾だが
闇天の速度、魔族の魔力。侮れない。
84019: 先生!人は一体何キロ先まで物体の判別が出切るのでしょうか。(;´Д`)☆ ゼフィル・ゼルファ 2003/03/12 20:44:34 
だが、これ以上は相棒がもたない。
多対多の戦闘は仲間の脱落が自分の敗北に直結する。

―――ここから狙撃する

懐に手を入れる。親指大の水晶製の球体を一掴みほど。
無造作に放り、ばら撒く。
それは淡く発光しつつ周囲を飛び回り
中空に複雑な魔術的意匠を形取っていく。
魔力を増幅させるための簡易結界だ。

数年来の魔術革新により魔法技術は広く一般に普及した。
ベテランがルーキーの魔法でやられるのもしばしば。
それほど魔法とは安易で強力なものになりつつある。

それでも、目視不能な距離にいる対象を攻撃可能な高位魔法を
大した素養も無いただの人たる自分が道具の補助無しに詠唱する事など出来ない。
84021: 久々のレオプール伯で御座います☆ ゼフィル・ゼルファ 2003/03/12 20:47:02 
―――どちらを狙う

順当にいけば陛下だろう。
この距離から反撃出切る可能性があるのは魔法だけだ。
物理攻撃がメインのヴォルは後回しで問題ない。

―――決めた。

伯爵にして公国の元老たるこのゼフィル・ゼルファ。
公室尊宗の念については人後に落ちない。
そんな自分が、我が主、至尊の御方に血を流させるはずもない。
貴族は貴族の論理で動く。
ただ、合理性を求めるような真似は御免だ。私は権威に弱いんだ。

さようなら好敵手、君とも長い付き合いだった。
さようならヴォルフ君。怨むなら君の生まれを怨んでくれ。
さようなら。
84026: 選手紹介3:執行部レイラール レイラール 2003/03/12 20:56:42 
突如、レイラールの両義手が軋みだした!?
肩にかかる鈍い痛みに振り向くと、今セーラー選手の雷の呪文が完成しようとしている。
雷の魔法の余波を受けて軋んでいるらしい・・・

「痛っ・・・!私を忘れるなとばかりに魔法を放ちますのは・・・

<チーム:マシーナリーマギ> セーラー選手っ!

虫も殺さぬ温厚な笑顔、2本の角はハンコとか電波発生装置とか噂が絶えず。
しかしその真相は、クレバーな実力者!一体幾つのカードを用意してるのか!?
底知れぬ力を一体どこまで見せてくれるだろうか・・・!」
84027: 選手紹介4:執行部レイラール レイラール 2003/03/12 20:57:47 

雲が晴れ、最後の選手の姿を・・・いないっ!?
レイラールは辺りを見回した。しかし見つからない。

「姿が見えないですが、これは何かを狙ってるのか・・・

<チーム:ザ・ファンクス> ゼフィル・ゼルファ選手っ!

独特の空気、全てを見透かすその双眸に囚われたら逃げられない・・・
意識を彼に向けてはいけない・・・それは彼の作戦なのだ・・・
蜘蛛が網を張るように、気がついたら彼の空気に囚われている・・・
さぁ、彼の恐怖は体の芯に迫り来るぞ・・・!」
 84103: 集中攻撃ヒィ((;゜Д゜)ガクガクブルブル ヴォルフ=ゾルダート 2003/03/13 02:41:42 
背中に衝撃が走る。が、傷は負っていない。
後を振り向くとヨミが光の束を小さい身体で傷だらけになりながら受け止めていた。

「助かった、ありがと。」

労わるようにヨミの頭を撫で、Dollyに視線を配る。

ワイヤーを瞬時に引き戻すと再び照準を合わせ、寸分の狂いも無くDollyの頭部目掛けて連続
して発砲。
84104: 人が自力で踏ん張れる速度は3〜6km/hって聞いた記憶が。 ヴォルフ=ゾルダート 2003/03/13 02:43:38
弾が尽き、リロードを行うとほぼ同時にゼフィルの放った魔法が降りかかる。
魔法耐性が皆無故に当たれば致命傷になりかねない。

見事に敵中。

体勢を大きく崩しながらも、魔法の唱え先――ゼフィルの方向へ首を向け瞬殺光波を放つ。


「コロスカ?」


傷を負ったその表情は焦点を失いつつも笑みを浮かべ、凍てつくような殺気に満ちていた。
殺気が満ち溢れ、義眼が更に深い赤に染まり、ゼフィルを見据える。
84108: とってもマジメでございますw セーラー 2003/03/13 03:46:44 
「しまった!」

ヨミを通じて知る愛弟の危機…
ゼフィルさんのとっさの機転…
予想以上のDolly女史の力量…

突然の状況変化に思考が一瞬停止してしまう…


…急がなければいけない…


急ぎ愛弟のフォローに向かおうとする途中、
眼前ではゼフィルさんの放った魔法で愛弟が再び傷つく姿が見える。

「申し訳無い。やはりあちらの方が上手のようだった…
 と、言っても今は聞こえそうにないか…」

愛弟から立ち上る殺気は戦場を思い出させる程にまで高まっている。
こうなっては仕方が無い、ここはセオリーならばDolly女史を狙いたい所なのですがねぇ…
84109: 大技行きますよっ セーラー 2003/03/13 03:47:35 
念話を使い、愛弟に話し掛ける。
(出し惜しみする余裕なんてないね、レールガンコンビネーションと行きましょう。タイミングはキ
ミに合わせる!)

ゼフィルさんを睨んだままの愛弟は私に向かって親指を突き出すと…

「オッケー! ゼフィ、覚悟しなっ!」

叫びと共に、彼の義眼が更に赤く光り、私もそれに合わせて高速詠唱に入る。


「レールガンコンビネーション! 喰らってみなっ!」
「レールガンコンビネーション… とくと召し上がれ」


二人の声と共に雷撃に纏わりつくように瞬殺螺旋光波が二人の間からゼフィルさんへ向かって
襲い掛かる…
84208: 同じクラスっ(*ノノ):ドリ Dolly 2003/03/13 23:39:57 
千切れた触手からどろどろと緑色の液体が溢れだした。
触手の楯が破られた後もなおヴォルフの弾丸は追撃してくる。
しかし焦らず。
傷口から一気に血液を吹きつける。

鮮やかな緑の血飛沫は腐食性の毒霧
緑の壁は銃弾をことごとく溶かし落としていった。

と、液体が滴ったロングブーツの爪先が溶け落ち
真っ赤なペディキュアの親指が覗く。

「ちくしょう、お気に入りだったのに・・・」
84210: 援護しなくてごめんなさい(´∀` ):ドリ Dolly 2003/03/13 23:40:56 
私には魔力も剛力もない。
あるのは素晴らしい師のみ。

またして駆けながら意思を伝える宝玉を握りしめ
次の策を視覚的に回想する。
それで充分伝わるだろう。

もとよりヴォルフに致命傷を与えるため「だけ」に
私は注意を引き、師は距離を稼ぎ、見事狙撃をしてのけた。
師は敢えてその先の策を語らず、私は訊くこともなく。

親愛なる国王陛下に刃を向け倒す策になど、
思考を巡らすことさえ恐れ多い。


集中した。

直後、眼前の人影から発した凄まじい光が目を焼く。
どこに当たろうと知ったことではない。
「止まれ」の指示はまだないのだ。
84211: 自分の事は自分でって教わったし( ´∀`):ドリ Dolly 2003/03/13 23:47:24 
意識の端で師を追う。
11・・13km・?・・

雷雲が膨らんでいくのが見える。
雷撃で水の粒は電気を帯び
中は雹が荒れ狂う嵐になっているだろう。


腰のパックからひとつの果実を探り出す。
時計の針に似た不格好なピンを囓りとると
掴んだ1本の触手ごと手刀で切り落とした。
カウボーイの投げ縄のように振り、リリース。
神経が完全に死ぬまでの間
私の思い通りに獲物を追ってくれるだろう。

獲物は・・・
そう、あの青いマント。
国王陛下ではなく、青いマントを。

「吹っ飛ばしておいで。」
84224: ボケたい衝動に駆られております(*゜Д゜)ゞ ヴォルフ=ゾルダート 2003/03/14 01:28:07 
魔法により負傷直後大技。
予想以上の負担と痛みに耐えながらもDollyの意識が兄へ向けられた瞬間を見逃さなかった。

刹那にしてDollyに詰め寄り身体を一回転捻る。
そして反動を利用し踵で蹴りを放つ。
まるで鎌の如く。
同時に左義手に装備された長身銃の銃身を外し先端に刃を装着。

「まだ俺は終わってませんよ?・・・さて、たーーっぷりお礼を差し上げないとですねぇ。」

額から血を流し脂汗を浮かべながら、辛そうに、しかし楽しそうに語りかけ

フワリと回転

「"香車翼刃"・・・槍と羽の回転乱舞、受けきれますか?」

義翼に仕込まれた無数の刃と槍の攻撃がDollyを襲う。
84227: 短く押さえんの諦めた( ´∀`)☆ ゼフィル・ゼルファ 2003/03/14 02:05:14 
―――手応えはあった。

公国工房謹製国定強装備アブソリュートヘル。
豊富なバリエーションと安定したスペックを誇る傑作品だ。
今回使用したのはその中でも法撃に特化した魔法杖"バラハム"
魔力増幅、高速詠唱、呪言編纂、聖句唱和、等等を高速処理し
魔術発動までの一連のプロセスを補助する魔導器である。

このバラハムに加えて更に、簡易結界まで用いた。
奴に喰らわせた法撃の威力は一個中隊規模の公国魔法兵が放つ
対部隊用戦術級範囲魔法にも匹敵する。
ストンゴーレムの正面装甲ですら、この距離ならば一撃で射貫する。
これで堕ちないはずがない。
84228: シリアスはもう終わりだ☆ ゼフィル・ゼルファ 2003/03/14 02:06:37 
頬の筋肉が引き攣る。会心の笑みが浮びかかったその刹那。
絡み合う二条の光芒が螺旋を描きつつ眼前に飛込んできた。
高位魔術発動後の術後硬直に陥っていた私に避ける手段などありはしない。
光芒は私の右胸に飛込み、肉と骨と臓器を抉り背へ抜けた。
勝利の歓喜に閃きかけていた顔面が忽ちの内に苦悶と怨嗟の表情へ取って代わる。

―――何故だ。

自分は完璧だったはず。納得できない、何故だ。
薄れ逝く意識の中、最期の力を振り絞り眼下に写る情景を注視する。
大きくはあるが致命傷には程遠い、傷を負ったヴォルフ=ゾルダート。
その腕の中には羽の生えた小猫の様な愛らしい小動物。
84229: 黄泉の仇は私がとる(´_ゝ`)☆ ゼフィル・ゼルファ 2003/03/14 02:09:44 
無残な傷を負っている。
この小動物が奴を庇い、私の一撃を身をもって受けたというのだろうか。

―――屈辱。

私はあのようにか弱く、愛らしい生物を攻撃してしまった。
いや違う。奴が攻撃させたのだ。
常に誰かに守られ、他者の庇護下でしか生きていられない。
その脆さ儚さゆえに愛情以外の何物も、抱く事を出来様はずも無い。
そんな弱弱しくも、健気な愛玩動物を。
奴は事もあろうに自らの盾に使い、私に傷つけさせた。

―――なんたる屈辱か。

この私に外道の汚名を被せ、弱き者を手にかけさせた。
栄光ある我がレオプール伯爵家の家名は拭い去りようのない恥辱に塗れた。
この様な蛮行、絶対に許せるものではない
84230: パパはりきっちゃうぞー☆ ゼフィル・ゼルファ 2003/03/14 02:11:05 
抑え様の無い憤怒が体中を駆け巡る。
先ほど開けられた右胸の風穴から止め処なく血液が流れ落ちているが
怒りと正義感により沸点まで高められた血潮は冷める事を知らない。
際限なく昇り詰めるかに思われた怒りが、ついに極まったた。

ゼフィル・ゼルファの身体が爆発し四散した。

網膜を灼く閃光と鼓膜を叩く轟音が収まる。
誰もいない、何もないはずの爆炎の中に一つの影。
其処にいたのは、人でもない、亜人でもない。
全知全能の創造主ですら嫌悪をもよおすであろう
禍々しき姿。


醜き蒼い狂獣が一匹。


―――・・・フシュルルルルル
84231: 昨日は勤務忘れてました(テヘ セーラー 2003/03/14 04:17:54 
…ふぅぅ…

考えも無しに放ったコンビネーションだったが、賭けは成功のようだ。
見事にゼフィルさんに的中した矢先…

「なっ!…」

Dolly女史が放ったと思われる物体が私に迫っていた。
避けれるか? いや…避けなければ…

意識のみが、その軌跡を避ける事を想定するが、先ほどの魔法での消耗が大きい…
マズイ…避けれそうにないですね…

ボムッッ!!

私の背中で爆発音がすると共に痛みが襲い…意識が飛びそうになる…
白煙に包まれながらかろうじて態勢を整えてはみたものの、ダメージは大きい。
84232: 今日も忘れそうになってた事実(´Д`;) セーラー 2003/03/14 04:23:49 
「やれやれ…お気に入りのマントだったのにな…」

ボロボロになったマントを外し、投げ捨てる間に愛弟の声が聞こえる。

「"香車翼刃"を使ったのか。
 まぁ…残す所は彼女のみ。私は援護に回る事にしよう。」

考えてる内に白煙も薄くなり、これで周りの状況も確認出来るように…


「くっ! こっ…この獣…ゼ…ゼフィルさんか…」


眼前におぞましき獣の姿が。


(一旦引かねばいけない…)
そう思い、頭に浮かんだ呪文をすかさず唱えると同時にセーラーの周りから霧が発生し、再度
視界を遮る。


(愛弟よ、ゼフィルさんはまだ倒れていない…第2ラウンドは分が悪そうだよ)
84304: こちらチーム:マシーナリーマギ応援席 サーカス 2003/03/14 19:50:59 
観客席から、ひときわ真剣な眼差しで戦いを見つめる影が二つ。

「にょっ!ヴォルフ様に続いてセーラー様までぴんちだにょ!!Σ(´Д`;)」

息を呑む豪技の連続に、思わずスルメを囓るヒゲの動きが止まる。

「あのお二人が倒れたら、明日から誰がワシに給料とエサをくれるにょ。・゜・(ノ口ノ)・゜・。」

チューチューとハムが泣き喚くその傍らには、がっしりとした体躯の楚々たる冥途。どこまでも
慎ましやかに戦いの成り行きを見守っている。
そんなありとあらゆる意味で対照的な一人と一ハムに、恐れる様も見せず近付いて来る勇敢
な若者が一人。
何事か簡潔に耳打ちをすると、何かを手渡し足早に去っていった。
84305: 都合により多重音声でお送りしております★(てゆか二役だr(削除 サーカス 2003/03/14 19:53:12 
ひくひくと鼻面を動かしながら、ハムが言う。

「ロケット花火だにょヾ(´・ω・`)」

どこからどう見てもロケット花火であるそれを手に、冥途は黙って頷く。

「分かったにょ!Σ(´・ω・`)」

ロケット花火によじ登って匂いを嗅ぎ回っていたハムが突如叫んだ。

「応援って事は、これを使って敵チームを攻撃するんだにょ!(´=ω=`)シ」

黙って視線を送ってくる冥途に構わず、ハムは更にもそもそとロケット花火の上を走り回ると、
ロケット部の尻に生える導火線に辿り着き、

「ワシが火を点けるから、お主は照準を合わせるにょヾ(´・ω・`)」

ハムの指示に、冥途は漸く何事かを理解した様だった。
そして――
84306: 500mってその実意外と近いですよね★(キニスルナ(腐 サーカス 2003/03/14 19:54:25 
冥途はおもむろに天を仰ぐ。
観客席の目前に設置された巨大な中継ディスプレイには、今も尚接戦を繰り広げる選手達の
苦しげな表情がはっきりと映し出されている。
中継を介さず肉眼で見遣れば、それは砂粒程の大きさにすら見えない。

――しかし、冥途は違った!!

どんな汚れをも見落とさぬスーパー洗濯能力を兼ね備えた冥途の眼球は、例え100km先に干
した洗濯物の細かな異物ですら見落とさない!
冥途のスーパー眼球は、機械の如き精確さで対象を捉える。
遙か遠方でキラリと光を放ったのは、主君セーラーの豪角か、同志ヴォルフのアイアンボディ
か。
84307: こっちのスレがめっちゃむさ苦しいΣ(;´Д⊂)(激死) サーカス 2003/03/14 19:56:56 
やおら全身にオーラが漂い、力がみなぎり始める。
身体中の筋肉は、その身を包む上等な冥途服がはち切れんばかりに盛り上がる。
そしてハムがしがみついたままのロケット花火を力一杯振りかぶると――

『ふんぬぅっ!!』(※重低音)

ゴッ――――!!

「Σ にょぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ」

槍投げの槍宜しく、天へ向かって全力投槍した。導火線に火は点いていない。
屈強の名を欲しいままにするその剛肩で繰り出すロケット花火は、マッハを超える勢いで雲を
突き抜け、目標目がけ一直線に飛んでいった。


一匹のハムを乗せて――
84360: ハムロケに遭遇するまではチねない:ドリ Dolly 2003/03/15 02:08:04 
ヴォルフの蹴りに右腕を強か打ち据えられる。
鈍い音とともに指先の感覚が遠のき、五感は霞む。

「"香車翼刃"・・・槍と羽の回転乱舞、受けきれますか?」

鋼の翼がきらきら輝いてとてもきれいだな、
などとぼんやり思った。
呆けて伸ばしかけた手を、刃が掠める。
五本の指から赤いものが飛び散った。

我に返る。

「よくも・・苦労してピアス開けた自慢の爪を・・」

迫る無数の刃に圧され上体は大きく仰け反る。
怒りに砕けそうなほど奥歯を噛みしめ
取り落としかけた銃をなんとか握り直した。

斬撃が身体中を切り裂いていく。
また触手が2本、切り飛ばされた。
84361: ヴォ様に捧ぐ擬音:ドリ Dolly 2003/03/15 02:08:41 
出血しすぎた。
身体が強張る。
目が見えない。
とても、寒い。

刃風に翻弄され緑の飛沫を撒き散らしながら
気力を振り絞って狙う。


たきゅん。


滑稽なくらい軽い音。
ぼろ布のように力を失った身体の
後方から。
青い瞳がヴォルフの赤い義眼をじっと見つめていた。
折れた右腕の替わりに銃を「握り直して」切断された触手。
一つ目の蚯蚓のようなその物体はただ1度弾き金を引くと
ぐんにゃりうなだれた。
84369: アァァンジィィィィ(*゜Д゜)(何) ヴォルフ=ゾルダート 2003/03/15 03:55:22 
たきゅん。

音と共に回転が止まり、槍の切っ先がDollyの手前で止まる。

口元から血が滴り落ち
コートの右胸部分に小さな穴
弾丸は肺を貫通。

「・・・・ヒュー、ヒュー。」

胸から空気が洩れ笛のような音を鳴らす。

(流石どりさん・・・一筋縄ではいきませんでしたか・・・)

激痛と息苦しさで意識が途絶え様とした矢先。

「Σ にょぉぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおおおお」

地上から一本のロケット花火と其れにしがみ付くハム。
84370: これでもシリアスなんです。 ヴォルフ=ゾルダート 2003/03/15 03:55:52 
「さ、さちそ?Σ(|||´Д`)」

一気に眼が醒めた。

一匹のハムを乗せたロケット花火は一直線に此方へ飛んでくる。

「Σおおおおおぉぉぉぉぉぉぉ・・・・・・・」

そのまま通り過ぎ、向うはセーラーとゼフィルの元へ(何)

(アレは・・・・ゼフィか・・・?)

兄と対峙する化物。
しかし、怒りに満ちた闘気は兄ではなく自分へ向けられている事を感じ取る。
コートを脱いで、ヨミに渡す。
84371: 多分 ゲヘ(*゜Д゜)ゞ ヴォルフ=ゾルダート 2003/03/15 03:56:14 
「・・・バケモノには、バケモノを・・・。」

咥えていた煙草を吐き捨て・・・だらりと力無く俯く。
嵐の前の静けさ――この言葉がピタリと当てはまるかの如く暫しの静寂の後――

ヴォルフの身体が眩しく輝く。

光が収まり、現れたのはゼフィルの禍々しさに匹敵する程に禍々しい姿。
筋肉は異常なまでに盛り上がり、紅い肌が覗く。
ニカリと笑うその歯がキラリと光る。

紅いバケモノが向うはゼフィル・ゼルファ。

(兄さん、雷を・・・。)
84372: 観客席からチーム:マシーナリーマギ応援(え? インタバル 2003/03/15 04:22:03 
熱狂する大勢の人々に混じって、白いもこもこの羊が一匹
観戦に夢中になっていた・・・(お前も二役k(削除))
目を離せない。っていうか、背が低くて人の後頭部しか見えない。
その時。

煤i゜△゜;)!?
近くの観客席から衝撃波が!!

同じチームの応援をしている常務・・・じゃなくはむちが飛び出した!!
自らの危険を顧みる事無く・・・
漢だ・・・(´Д⊂)

臆病な羊はそこまでの勇気も無く、黙って祈りの電波を飛ばす。
角から。

しかしその角は内側に向かって巻いていた・・・。

『頑張れヴぉっちゃん!!』

彼の祈りは届かない。
84399: 観客席横のスルメ売り場で(ぇ つなたん 2003/03/15 16:33:11 
「ちっがーーーーう!!!!スルメには一味ですー!七味じゃないってばー!」
「そんな事言われてもつな様勘弁してください...もぅw;」

HBFの最終戦の会場には、なぜかスルメ焼きの出店がマヨネーズの匂いをプンプンさせばが
ら繁盛していた。
店員相手にくだらない言い合いをしているところで、一人のオトコが肩をつつく。

「つな様、一味よりロケット花火ですよ。」
「ふへ?ほへっほははび?(えぇ?ロケット花火?)」

両手にスルメ、口にもスルメ、のつなたんの頭になぜかレイラール氏はロケット花火を電波受
信機のごとく挿してどこかへ去って行った。
84400: チーム:ザ・ファンクス応援☆ つなたん 2003/03/15 16:43:02 
とりあえずスルメをそこらへんの人に押し付けて、頭に刺さった電波受信機もとい、ロケット花
火を手に取る。
「これをどうしろと...???」
しばらく考えこんでいると、観客席のどこかから轟音がして何かが空高く飛んでいった。そして
なぜか。

「狽ノょぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ....」


「へんなドップラー効果ぁ...ってハムチっ!?」
空を見上げてもすでにそのモノの影も形も無かった。
「あぁそうか。レイさんはこれを打ち上げて、戦いの邪魔をしてもいいよん、と言いたかったのか
(勝手な解釈)それならそうと言ってくれなきゃw」
おもむろに、つなたんはロケット花火に何かを仕込み始めた。
84402: RPなんてすっかり忘れてたよ つなたん 2003/03/15 17:00:16 
ピーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっっ!!!

チンケな音のロケット花火は、なぜか白い垂れ幕を携えて空高く飛んでいった。闘っている彼ら
の真ん中辺りへ真っ直ぐと。。。。


ハラリハラリハラリ
垂れ幕が中途半端な高さでたなめき、HBFには全く関係ない宣伝をしていた。


「HBF協賛はヘルハンプール・ジャーナル」


嘘はイクナイ。
84464: 応援入るとがぜんやる気もっ セーラー 2003/03/16 01:26:37 
蒼い獣に対して濃霧を発生させて距離を稼ぐ…

(応援の花火…か
 ふふふ…あれは誰の仕業なのですかね)

少し気が楽になった…が、背中の痛みが想像以上に辛く、後何回呪文が唱えられるのか…

(兄さん、雷を・・・。)
眩しい光と共に、愛弟からの念話が届く。


「愛弟よ…そこまでの覚悟でしたか…
 ならば私も覚悟を決めましょうか」
84465: でも、そろそろ終劇ですよね( p_q) セーラー 2003/03/16 01:27:26 
杖を両手で持ち、正面に構え…呪文を唱える。
唱える間にセーラーのやや後ろに寸分違わぬ姿が、一つ、二つと現れる。
分身が出終わると、今度は赤き獣に杖を向け、詠唱を続ける…


(さて、私の最大魔法…耐えるのですよ…)

分身と共に雷撃を愛弟であった赤き獣に向け、発射する。

「グオオオオォォゥゥ」
獣は苦痛を伴った咆哮をあげると共に、蒼き獣に向かって突撃をする。


(もうカードは殆ど無いのですが…
 Dolly女史のお相手をしなければ…)
84493: 眠い(;´д⊂)(何 ヴォルフ=ゾルダート 2003/03/16 03:35:07 
兄の雷撃を全身に浴びる。

「グオオオオォォゥゥ」

全身に雷を帯びながらゼフィルに突進。

その頃・・・
『頑張れヴぉっちゃん!!』
羊の応援が届く・・・・・・事は無かった。

紅いバケモノの渾身の一撃が蒼い獣の身体に放たれる。
刹那・・・雷は四散し微量の雷が紅いバケモノの身体を包み込んでいる。

「ウグアアァァゥ!!」

間髪入れず微量の雷を帯びた巨木のように太い腕で
咆哮と共に蒼い獣を何発もの殴打を浴びせる紅いバケモノ。

まるで何か焦っているかのように。
84770: 『のろけどころか今日この頃は Dolly 2003/03/18 01:11:48 
不思議なもので、意識を手放しても
身体は相変わらず中空に放りだされているのだった。
ぼやけた視界にメッセージが目に入る。

「HBF協賛はヘルハンプール・ジャーナル」

(ああ・・・つなさま、ご協力してくださってたですねぇ・・・)

眠った頭はすんなりそれを事実と受けとめた。
再び目を閉じる。
いや、閉じちゃだめだ。
てゆかへるじゃ協賛してないよ!
嘘はイクナイ。
薄れる意識の中に無意味な思考が渦巻く。

そしてようやく気付いた。
自分に突きつけられていた槍の切っ先がない。
そしていくら走査を試みても

「・・・ゼフィル様がいない。」

冷たいものが背を走る。
どこかで咆哮が響いた。
84771: 息が通っているばかり』 Dolly 2003/03/18 01:15:32 
激痛を訴える身体に鞭打って走る。
きっと額冠が壊れたのだ。
そうに決まってる。
重い危惧は意識的に捨て見慣れた師の背中だけを探す。
しかし霧の中に見いだした姿は想像外のものだった。

杖を掲げ、今魔法を放った直後の魔導師。


「お、お恐れながら、お退きくださいますよう…」

声が震える。
触手はすべて、傷つき中途から千切れている。
─満身創痍。
魔導師はこちらに向かってくる。

「どうでもいいからそこを退いて!ゼフィル様が…!」

絶叫だった。
同時に傷ついた触手の束を振り上げ打ち付ける。
脛を狙って折る喧嘩殺法は
地上では私の常勝の手管なのだった。
84782: しかして我ら☆ ゼフィル・ゼルファ 2003/03/18 02:23:32 
耳を劈く咆哮。
雷撃に五体を焼かれ、更に繰り出される雪崩れの様な打撃。
殴打を受けた箇所の肉が細かく削れて行くような錯覚を受ける
ほど強力な一撃だ。

だが、今の自分には全てどうでも良い事。

今の自分には知性もない理性もない。
破壊と攻撃の衝動に駆られた一匹の獣。
ただ、目の前に立つ敵あるのみ。

強烈な電流は体表よりも体内においてその効力を遺憾なく発揮した。
膨大な熱量は神経組織、脳組織を灼き五感をほぼ麻痺状態させた。

目の前に靄が掛かったように、意識がはっきりとしない。
だが、奴を倒せ、奴の息の根を止めろと何かが自分に訴えかける。
84783: 聖者の列に加わらん☆ ゼフィル・ゼルファ 2003/03/18 02:24:58 
眼も見えず、耳も聞こえず
他に頼るもののない自分は
この得体の知れない内なる声に無条件で縋る。

―――敵を捕まえなければ

眼も見えない、耳も聞こえない。
そんな自分がどうやって?

簡単だった。

紅獣は先程から怒涛の勢いで鉄塊の様な拳を
私に向けて放ち続けている。

すぐ目の前。手を伸ばせば届く距離に奴はいる。

血反吐を吐きながらも奴に密着しその身体にしがみ付く。
暴れる紅獣は背といわず後頭部といわず、体中に拳の雨を
降らせるが神経をやられ五体を痛めつけられ深い傷を負った
私の身体はいまや何も感じない。
84784: 感動のフィナーレ☆ ゼフィル・ゼルファ 2003/03/18 02:28:13 
背にまわし、溶接されたかのように
がっちりと組み合わされた両の手。

―――目の前の敵を倒す。

この一念にのみ支えられた我が精神。
満身創痍の身体は忠実にこたえる。

紅獣を抱えたまま高空へとひた奔る。
地上を律するあらゆる物理法則の枷から解放たれ
あらぬ速度で急速に上昇する。

暴れる奴を押さえつけ。
蒼い獣と紅い獣。
二色の軌跡が螺旋を描き天空へと舞い上がる。

成層圏を割り大気圏を抜け
指極の星へと光速で昇り詰める。


白き蒼天の神の御座。
絡み合う蒼と紅。
二条の光芒は二色の煌きを放ち
太陽へと吸い込まれていく。


―――そして二人は星になった。     ・・・the end
84865: 遅くなりました〜 セーラー 2003/03/19 03:33:12 
魔法を放った後に力を振り絞り、女史を見上げる。
そこにある姿は既に満身創痍…

「お、お恐れながら、お退きくださいますよう…」

(あの気丈な女史がこんな事を仰るとは…
 が! ここで退く事は出来ないっ)

沈黙したまま…いや、返答する気力すら無い状態で女史に迫る。
(出血が酷い…撃てても雷撃が後一回ですかね…)

そんな事を考えた隙に女史が絶叫と共に力を振り絞って迫る。

「どうでもいいからそこを退いて!ゼフィル様が…!」

打ち付けられた触手はセーラーに避ける事すら許さず…
84866: そしてファイナルですっ セーラー 2003/03/19 03:34:26 
どすっ…!!


………
……



そのまま意識は途切れそうに…

最後に見たモノは…

女史の涙顔と、二条の光芒が空高く登る光景だった…


(ヴォルフ…すまない…
 そしてDolly女史、おめでとう…)
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